
他人の給与明細を見るのって、ちょっとワクワクしますよね。
今回は、クラフトビール業界で働いて7年目(大学生アルバイトの期間を入れると10年目)になる僕の給与明細を公開します。給与明細を公開するのは本当に恥ずかしいですが、業界のリアルを知っていただくためには必要なことだと思っています。
この記事は以下のような方に向けて書かれています
あらかじめお伝えしておきますが、僕は恵まれています。自分のスキルを磨くために日々努力しているのは間違いないのですが、結構タイミングがよくてここまで来れた節もあります。飲食業で働く28歳の一例として、ご参考にしてください。
新卒時代〜前職までの給料
参考までに、前職までの給料の推移を公開します。
新卒で入った品川のシステム開発会社
¥220,000(額面)
借上社宅の一部自己負担金と社会保険料を引いて、差引支給額が¥170,000くらいでした。
なんのスキルもない人に支払う給与としてはデカい、と今では思います。将来育ってくれることを期待しての給料ですよね。その点、退職したことに関しては申し訳ないと思うと同時に、感謝もしています。
正直に言うと、この会社は4ヶ月で辞めました。安定した給料を手放すのは怖かったけど、「ビールに関わる仕事がしたい」という気持ちがどうしても抑えられなかった。あの決断がなければ、今ここでカウンターに立っていないし、この記事も存在していません。
2社目 東京都内のブルーパブ
¥250,000(額面)
年俸制で年間報酬¥3,000,000、12で割って月々¥250,000、差引支給額が¥220,000くらいでした。
ここで初めて「ビールを注ぐ仕事」に就きました。醸造所併設のブルーパブだったので、作る側と届ける側の両方を間近で見られたのが大きかった。今の自分の「品質管理の目線」と「カウンターの目線」の両方を持てているのは、この時期の経験が原点です。
3社目 神奈川県のブルワリー
¥240,000(額面)
ここから実質社会人2年目に突入。年齢が24歳だったので、社長が「じゃあ24万でどうだ?」という感じで決定。差引支給額は¥210,000ほどでした。
休日は日曜のみで、平日は朝から22時くらいまで働き続けたので、お金を使う暇がありませんでした。ただし、転職のたびに引っ越しや物件初期費用がかさみ、貯金はほぼゼロな時代が続きます。
正直、この時期は体力的にかなりキツかった。でも品質管理やパッケージング、醸造補佐の実務経験はすべてここで積みました。溶存酸素の測定、充填ラインの管理、25kgの麦芽袋を担いだ日々——月給24万で朝から晩まで働いて貯金ゼロでも辞めなかったのは、「ここで学べることは、将来自分の店を持ったときに必ず武器になる」と確信していたからです。実際、その通りになりました。
現職(ビアバー) 給与明細
¥240,000~¥320,000(額面)
給与に変動があるのは、非正規雇用契約だからです。イベントなどで忙しかったり、残業が多かったりすると支給額が高くなります。
今回は一年で一番忙しかった月の給与明細を公開します。

いかがでしょうか?思ったより少ないでしょうか?多いでしょうか?
夜から深夜にかけて結構ハードに働きますが、支出をなるべく抑えれば、都内で一人暮らししていける給料だと思います。
この給料で、どうやって開業資金を貯めているのか
ここが一番聞かれることなので、正直に書きます。
僕は2028年に東京でワイルドエールとシャルキュトリのペアリングを主軸にしたバーを開業する予定です。居抜き物件で初期費用200〜300万円、運転資金を含めて350〜400万円が必要になる見込み。自己資金と日本政策金融公庫の融資を組み合わせて調達する計画です。
この金額を、飲食業の給料で貯めるのは簡単ではありません。だから僕がやっていることは2つ。
1つ目:ダブルワーク。
ビアバーの仕事に加えて、クライミングジムの受付のアルバイトもしています。本業もあるので、月の休みは2〜3日ほど。体力的にはきついですが、ビアバーのシフトに入らない時間帯を有効活用しています。
2つ目:副収入。
知人の飲食店やビアフェス運営を有償で手伝った報酬、そしてこのブログの広告収益が加わります。毎年自分でちゃんと確定申告しています。
日々の支出は極限まで削っています。贅沢はほとんどしない。唯一お金を惜しまないのは、ワイルドエールの研究のためにビールを飲むことだけ。それ以外のお金は全部、開業資金に回しています。ちなみに支出管理のコツは、家計簿をつけることです。家計簿は絶対に裏切らない(キリッ)
華やかに見えるかもしれませんが、実態は泥臭いサバイバルです。でもこれは不幸自慢ではなく、「この給料でも、やりようはある」ということを伝えたくて書いています。
まとめ:飲食業は稼げない、を覆す
「飲食業は稼げない」「飲食業は儲からない」——この言葉を、僕は何度も聞いてきました。
確かに、雇われの立場で年収1,000万を目指すのは現実的ではありません。でも「稼げない」と「生きていけない」は違う。工夫次第で都内で一人暮らしをしながら、開業資金を貯めることはできる。
そして僕は、雇われの給料で終わるつもりはありません。
2028年に自分の店を開いて、経営者としての役員報酬をここで公開します。このブログを読み続けてくれている方には、「あのとき月給24万で朝から22時まで働いていた人間が、自分の店を持ってどうなったか」をリアルタイムで見届けていただきたい。
開業までの道のりは、開業構想シリーズで発信しています。
飲食業で働くことを考えている方、今まさに飲食業で頑張っている方に、この記事が少しでも参考になれば嬉しいです。



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