
今回は キャッシュオンデリバリー についてメリットとデメリットをまとめ、対比される後払い方式についても触れてみます。
筆者が数年後にオープンする予定のクラフトビールバーで、どういったお会計方法を導入するべきなのか一度整理してみたいと思います。
今回も例に漏れず、自分の思考整理用の記事なので、読者の皆様に提供できる価値は少ないかもしれません。
注) やたら攻撃的なタイトルですが、筆者はキャッシュオンデリバリー方式が好きです
この記事は、開業構想シリーズの一つとして書かれています。
似たような記事が他にもあるので、ご興味のある方は覗いてみてください。
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キャッシュオンデリバリー

まずは注文と同時に商品を受け取るキャッシュオンデリバリーについて考えてみます。
メリットは「明朗会計」(お客様視点)
明朗会計が圧倒的メリットです。
金額が違っていたらその場で言いやすいですし、後からサービス料などを請求されることなどもありません。
最悪、出てきた商品に欠陥があったら支払いを拒否して退店することもできます。
また、複数人で来店した際は一人一人のお会計が前提なキャッシュオンデリバリー方式において「割り勘」しやすいのもメリットの一つです。
無銭飲食のリスクなし(スタッフ/飲食店オーナー視点)
一度注文とお会計をしたら、あとはお客様とスタッフの過ごし方は比較的自由です。
無銭飲食の心配もないですし、席を勝手に移動されてもスタッフ側で特別な手続きはありません。
回転率が上がる(気がする)(スタッフ/飲食店オーナー視点)
キャッシュオンデリバリーのお店は、ノーチャージであることが多く、一杯でサクッと飲むお客さんの絶対数が多い気がします。
一杯でも気軽に立ち寄りやすいということは、お店側からすれば回転率の向上が見込めるということでもあります。
デメリットは「注文時に会計業務の負担増加」(スタッフ/飲食店オーナー視点)
そもそもの1日のお会計業務数が多くなるので、現金を扱う場合はレジ金の違算が多くなる可能性があります。
お客様同士の会話を「お会計」が遮る(お客様視点)
カウンターに座って注文できる場合、カップルや知人同士でいると、キャッシュオンデリバリー方式のために会話を遮ることがよくあります。
お店側もタイミングを見てお会計を案内すると思いますが、オーダーとお会計は切り離せないのがキャッシュオンデリバリーの特徴です。オーダーのたびに会話が止まったりするのが嫌な方もいるでしょう。
支払い動作がめんどくさい(お客様視点)
前節と少し似ていますが、いちいちお会計するのが面倒だなと感じる方もいます。
一回一回のお会計の領収書を、ひとまとめにして発行してもらえない可能性あるので、経費で落としたい場合は注意が必要になります。
列に並び、待たされる可能性がある(お客様視点)
一回のオーダーがスムーズに進めば問題がないのですが、オーダーが立て込んだ場合、レジに並ぶことがあります。
テーブル会計の場合は、テーブルで待っていればそのうちウェイターがやってくるのですが、キャッシュオンデリバリーの場合は列に並び、立って待つ場合があります。
通常の後払い方式

メリットは「客単価の向上」(スタッフ/飲食店オーナー視点)
好きなものを好きなだけ頼むことができる、とは言いませんが、細かい金額まで気にしなかったり、気が大きくなってついつい頼んでしまうのが後払い方式です。
会話や雰囲気を楽しむことに集中できる(お客様視点)
後払い方式の方が、途中で「会計」が邪魔してこないので、より会話を楽しむことができるでしょう。
お見送りのタイミングが掴みやすい(スタッフ/飲食店オーナー視点)
お帰りになる際、お会計があればお客様とコミュニケーションをとることができます。(キャッシュオンの場合、急にサッとお帰りになるお客様もいらっしゃいます。)
お見送り行為は、飲食体験の鮮やかな記憶として焼き付ける重要なコミュニケーションなので、そのタイミングが掴みやすいこの方式は大いにメリットがあります。
レジ金の違算が出にくい(スタッフ/飲食店オーナー視点)
キャッシュオンデリバリーと違って、後払い方式は会計の絶対数が少ないので、レジ金の違算が出にくいといえるでしょう。
デメリットは「不明瞭になりがちな明細」(お客様視点)
小さい紙に、金額だけ書かれたものがトレーに乗ってくるお店、たまにあります。
個人的には明細を見たいのですが、知人やパートナーといるときに「明細見てから支払いたいです」なんて言えない方もいえないですよね。
サービス料、席料、頼んでいないドリンクや料理があったとしても、実際には分からないことがほとんどです。
支払った後の領収書ですら「¥〇〇〇〇- 但しご飲食代として」としか書かれていない場合、明細を知ることはできません。
結局どうしようか

結論、決めかねています。
業態と目的(提供価値)によって柔軟に変えていくべきかなと思います。
また、誰がそのメリットを享受し、デメリットを被るのかを考えなければなりません。
双方の視点を勘案しながらお会計方式を決定するのは前提として、
以下の二つの小見出しで書いた要素が、お会計方式の決定の参考になると思っています。
業態と合致しているか
業態とマッチしているかどうか、これは重要な決定材料になります。
フードメニューが充実している(前菜からスープ、メイン、デザートなどが用意されている)業態では、キャッシュオンデリバリーはやりにくいでしょう。
そもそも商品の受け渡しと同時にお会計をすることが前提のキャッシュオンデリバリーは、提供に時間がかかるフードと相性が悪いです。
また、長居すること(おおむね90分以上)を前提としたレストランやバーなどでは後払い方式にすることによって「追加注文」が聞きやすくなり、自然にアップセルを行うことができます。(キャッシュオンデリバリーの場合、テーブルまで追加注文を聞きに行ったとしても、多くの場合お会計はレジで行うので、いちいちレジにご足労いただかなければなりません。)
立ち飲みやカジュアルなバーでは、待ち合わせに使われることも多いため、サクッと一杯で帰りやすいキャッシュオンデリバリーがよいでしょう。
そのお店の目的(提供価値)は何か
業態とも少し重なる話ですが、一番の決め手は「どういった価値をお客様に届けたいか」を考えて決めるべきかと思います。
いちいちお会計をしなければいけないという不便さをテイクしてでも、キャッシュオンデリバリー方式を採用してカジュアルに飲める酒場という雰囲気を演出したい、だったり
あるいは、明細など気にしない富裕層の方々が主な客層で、会話や雰囲気を楽しんでもらうために、お会計という所作をスマートに演出できる後払い方式を採用したお店にしたい、など
客単価の伸び率がどうとかスタッフのミスによる現金違算がどうとかといったことではない「自分のお店はこうあるべきだ」という理想像に照らし合わせてお会計方式を慎重に決定すべきかなと思います。

いかがでしたでしょうか。筆者は働いてきたほとんどのお店がキャッシュオンデリバリー方式だったので、その良さを身体で体感しています。
ただ、自分が開くお店となると話は全く別で、どうしようかなと悩んでいます。
小さいことのようですが、お会計方式はそのお店の雰囲気や客層に大きく影響する重要な要素だと思うので、今後も慎重に検討を重ねていきたいと思います。
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