【開業構想シリーズ】僕のお店が“ 3タップ ”だけの理由

今回は、2027年頃に筆者がオープンする予定のビアバーでは、ビールの注ぎ口(タップ)を“ 3タップ ”しようかなというお話をします。

最近の東京クラフトビールシーンにおいては、大体多いところで30タップ以上、小規模店でも6タップ~10タップくらいがトレンドではないでしょうか。

そこで、トレンドとはかけ離れた「3タップ」という規模感で店舗をオープンすることについて、筆者の考えを書いておきたいと思います。

この記事は以下のような方に向けて書かれています

  • ビアバーを開業したいと思っている
  • ビアバー経営に興味がある

サワー/ワイルドエールを日本に広めたいという根本の理念は変わりません。

ただ、経営上のテクニック的な要素は柔軟に変えていくべきだと思います。

もしご意見やご感想等いただけるようであれば、InstagramのDMからぜひお願いいたします!

3タップで営業する4つの理由

3タップで営業を始めるには、4つの理由があります。

  • ビールを新鮮な状態で提供したい
  • 超小規模店を想定している
  • 初期投資を抑えたい
  • グラス売りを積極的に展開していく

これら4つの理由を掘り下げていきましょう。

ビールを新鮮な状態で提供したい

少数タップ高回転で新鮮なビールを提供したい

これが一番の理由です。

出来れば全てのビールを2日~3日で使い切ることで、鮮度を保ちたいです。

繁盛しているお店なら何タップあっても回転率を維持して鮮度を保てるのでしょうが、経営は常に五里霧中。

どこかのタイミングで少しずつ来客数が控えめになれば、一度開栓し劣化を始めたビールに命はありません。

来客数が多いときも少ないときも、安定した品質で提供したい。

また、発注タイミングによっては樽詰め直後のものではない可能性があることも念頭に置かなければなりません。

超小規模店を想定している

5坪、全席スタンディング、合計10名~15名定員のお店作りを目指しています。

そのようなお店では、当然スペースも限られます

なのでプレハブ冷蔵庫にタップを取り付ける手法は現実的ではありません。

実際には、おそらく卓上タップに近い形になるかと。

お手本になるのはこちらのパブのシステムです。興味がある方は、ぜひ覗いてみてください。

筆者が大学時代に3年間アルバイトスタッフとしてお世話になったパブのオーナーが書いた2013年の記事です。

初期投資/運転コストを抑えたい

前提として、(東京)都心での開業を想定しており、少しでも家賃を抑えて開業したいという考えがあります。

その上で、タップを少し増やしたところで初期投資は変わらないと思う方もいらっしゃるかもしれません。

僕はまだ開業したことがないので詳細な金額は分かりませんが、3タップで開業するのと5タップで開業するのとでは初期投資が数十万単位で変わってくるのではないかと予想しています。

もしかすると、開業した後のランニングコストも月に十数万単位で変わるかもしれません。

タップが増えるということは

  • カプラーやレギュレーターなどの部品が増える
  • 待機している樽が増えるのでスペースを圧迫する

ということ。

①は数万円単位でしょうが、②はそうはいきません。

クラフトビールは要冷蔵。絶対に冷蔵庫に入れなければなりません

3タップならオンタップ中の3ケグ+次に繋ぐための予備2~3ケグ=6ケグ程度を保冷するスペースを確保しておけばよいということになります。

これが5タップだと、合計で10ケグ以上は冷蔵庫に入れておく必要があります。

(ちなみに筆者が現在働いているビアバーでは、タップ数は20。それとは別に予備のケグは最低でも10ケグ、通常は20ケグ以上。多いときは30ケグ以上、つまりオンタップ中のものを含めて50ケグ以上保冷することがあります。)

ケグの保管場所=冷蔵庫が大きくなるということは、店舗に必要な面積が大きくなり、物件取得費用の増大に繋がります

グラス売りを積極的に展開していく

お店のコンセプトとして、サワー/ワイルドエールをテーマにしています。

その類のビールは、ボトルコンディションと呼ばれる手法が多用され、瓶でリリースされることが多いです。(場合によっては瓶のみのリリースとなります)

したがって、必然的にビールの提供方法として重きを置くのは、グラス売り(By The Glass)になるでしょう。

ワインバーではグラス売りが頻繁に行われていますが、サワー/ワイルドエールが広まりきっていない日本では、ビアバーでBy The Glassを日常的に行なっているところは少ないと感じます。(筆者の周りは多いです)

そういったビールの提供方法にも一石を投じたいです。

まだまだ生ビールとドラフトビールの違いを知られていなかったり、缶や瓶で飲むよりタップから出るビールの方が重宝される時代ですから、筆者の目指すサービスの在り方が一般的になる時代は遠いかもしれません。

スモールスタートのこだわり

https://www.micromatic.com/en-us/keg-tapping-tools-faucets-shanks-faucets/g-FI3uWt1eGkyV_ZNFaEPVMA

最近は、スモールなお店を構想することが多くなってきました。

個人的には、飲食店は長く続けることが大切だという信条を持っているので、キャッシュが少ない時でも小回りが聞くような経営をするために、人を雇わず、低家賃で回したい。

ある程度利益を作ることができたら、2週間海外でビール研修しても大丈夫なくらい、固定費がかかりにくい体制を構築したいと考えています。

こういう風に書くと「あら、細々とやっていきたいのね」と思われるかもしれません。

違います。小さいお店からスタートしても夢は大きいです。

ただし、お店をより大きくしたり、業態を変えて2店舗目を作ったりすることは、1つ目のお店が軌道に乗って成功してからでも遅くないと考えています。

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