【開業構想シリーズ】お店の名前は「Pedi」

開業構想シリーズとは

しがないビアバー店員が、独立開業までの成功談や失敗談、思索をブログで不定期連載するシリーズです。詳しくは下のリンクをご覧ください。

ついでに、筆者(satoshi)は何者?という方向けにはプロフィールをご用意しています。

お店の名前(本題)

開業するお店の名前が決まりました。

名前は「Pedi」(ペディ)です。

比較的短くて覚えやすく、語感も悪くないと思います。実はブログを書く半年前にはすでに決まっていたのですが、商標やSEO対策などの問題で公表に踏み切るまでに時間がかかりました。

サブネームをつけるかは未定です。もしサブネームをつけるとすれば、「Pedi Terrine & Craft Beer」、「Pedi Charcuterie & Sour Beer」、「Craftbeer Bar Pedi」、「Craft Beer Paring Bar Pedi」、「Bar Pedi」、「Paring Bar Pedi」のような風になると思います。

街で見かけた時やGoogle検索された時に、何のお店かすぐに分かるのがサブネームの良いところなのですが、シンプルさに欠けます。

現に洗練された飲食店でサブネームを持たないお店はたくさんあります。(例えば代々木のカフェバー「No.」や、学芸大学のコーヒーショップ&クラフトビールバー「WR.」など。)

個人的にはサブネームはつけたくないので、開業までに「Pedi」という名前を広く認知してもらえるように頑張ります。

名前の由来

引用:https://www.brewersjournal.info/pediococcus-friend-and-foe/

「Pedi」は、伝統的なサワービールの製造工程で現れる通性嫌気性細菌「Pediococcus」(ペディオコッカス)からきています。この菌はサワービールの酸味を担っている要素の一つで、乳酸菌に分類されるグループ(属)です。

通常ペディオコッカスはビール業界やワイン業界では「汚染菌」や「腐敗菌」として認知されていて、ブルワリー(醸造所)でこれらの菌にタンクやホースが汚染されたとなると、工場の操業が停止してしまうくらい危険で扱いが難しい菌類です。スコットランドのブルワリー「BrewDog」は、メインの醸造所とは別に、すぐ隣にサワービール専用の醸造所(BrewDog OverWorks)をわざわざ作ったりもしています。

そのため、市場に出回っているいわゆる「サワーエール」は醸造機器の汚染を避けるためにケトルサワーという製法を用いることが多いです。ビールの発酵タンクや樽に生きた乳酸菌を投入するのは工場内の汚染リスクが高いので、麦汁を煮沸する前に乳酸菌を添加し、phが下がったら(酸性になったら)煮沸=菌を死滅させて発酵タンクに移送するという方法です。比較的大量生産が可能かつ汚染リスクが少ないため、多くのブルワリーが採用している手法です。

ただ乳酸菌がすでに死滅していることもあって、ケトルサワーは風味の複雑性が損なわれる製法だという見解がブルワーやテイスターの間では一般的です。(風味の複雑性が損なわれることが悪なのかどうかは全く別の議論です。)

それに対して、ベルギーのランビックでは「汚染菌」であるペディオコッカスが必要不可欠です。麦汁を空気中に晒して野生のバクテリア(バイ菌も多く含む)を取り込み、腐敗と紙一重な発酵を、伝統的な技術と矜持で成し遂げていく。ここに僕はロマンを感じています。

ケトルサワーを否定するわけではありませんが、ペディオコッカス由来の独特な風味は何にも代えられませんし、伝統的な製法は守られるべきだと思います。

何かと悪者にされがちなペディオコッカスですが、僕は大好きです。

僕のお店が認知され、多くの人にペディオコッカス由来の複雑な酸味を持ったビールを体験していただき、伝統的なランビックを筆頭としたサワービールが日本に広まっていけばいいなと思っています。加えて、ペディオコッカスを用いた製法のように、伝統的で普遍的、クラシカルな要素を大切にしていきたいという意味も込めてこの偉大な菌類の名前を拝借した次第です。

ロゴデザイン依頼先募集中

「Pedi」のロゴをデザインしていただける方、募集中です。本格的な発注はオープンの前年2026年頃になります。我こそは!という方がいらっしゃれば、頭の片隅に入れていただければと思います。

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