ロシアの軍事都市“ カリーニングラード ”に行ったら1時間拘束されました

ロシア カリーニングラード州 フラブロヴォ空港

こんにちは、satoshiblogのsatoshiです。

今回はクラフトビールでもなんでもなくて、ただの旅の記憶をここに書き留めておくだけの回です。

ロシア旅行中に、しばし拘束された話をしたいと思います。

事件が起こった旅の概要

時は2020年2月、コロナ直前でした。

大学の卒業旅行として友人を含めて3人で、ヨーロッパを3カ国をまわった旅路で事件は起きました。

まず我々の当初の計画はこちらです。

羽田 → ロンドン → ワルシャワ(乗換のみ) → カリーニングラード → サンクトペテルブルク(乗換のみ) → ロンドン → 羽田

合計10日間程度の旅程です。

カリーニングラードってどこだよ?!と思った読者の皆さん、その反応は正解です。

カリーニングラードはこちら。

Googlw Map

ポーランドの北、バルト三国の南に位置しています。

んで、旅の目的として

  • ロンドンの文化を満喫する
  • ロシア領カリーニングラードで哲学者カントのお墓参りをする

この二つを掲げて日本を出国しました。

(極東からはるばる、東欧の辺境にお墓参りってどんだけ変人なんだよと思うかもしれません。そうです変人なのです。このときは同じ大学の文学部哲学科3人で行ったので、3人とも変人です。この旅で、僕ともう一人はイギリス経験論者で、あと一人は筋金入りの大陸合理論の信奉者でした。仲の良い3人でしたが、哲学的な議論になると対立することが多く、この旅を通してイギリス経験論と大陸合理論の歩み寄りを図れるかどうか、というのが旅の裏目的でした。僕自身はイギリス経験論者といえど、歴史上最も偉大な哲学者の一人であるカントへの敬意は揺るぎません。その上で、一緒にお墓参りをして、互いの理解を深めようじゃないかと。そういうことです。)

カリーニングラードは旅行サイトではほとんど情報がなく、僕のようなブログを書いている人もほとんどいませんでした。

観光目的の日本人はほとんどいません。

なぜならその都市は、特殊な事情を抱えているからです。

カリーニングラードは軍事都市

Google Map をSatoshiが編集したもの

カリーニングラードはバルト海に面した港湾都市で、ロシア本体の領土とは面していない飛び地です。

かつてはケーニヒスベルクと呼ばれ、カントが生まれ育ち、そして没した土地。

今となっては、ロシア屈指の工業都市となり、最強艦隊であるバルチック艦隊が置かれている軍事都市として機能しています

土地柄的に、入国するには特別なビザが必要となります。

僕たちも、日本からインターネットでビザ発給サイトにアクセスし、特別なビザを取得しました。

こちらが実際に撮影したカリーニングラードの様子です。

旧ソ連圏の独特な街並みを残している場所とあって、一定の建物ファンから支持が厚いと聞いています。

有名な「ソビエトの家」です。

1970年から建設が始まったものの、構造上の欠陥が見つかり1985年に計画停止。

それから40年近く経った2023年に、正式に解体工事が始まっているようです。

スーパーでおつまみなどを買いました。

海に面していることもあってか、海産物が結構豊富だったような印象があります。

こちらが陸橋の下にあったグラフィティです。

だいぶ暗い雰囲気でしたが、治安が悪いわけではなかったですね。

不良のような人はおらず、どちらかといえばビジネスに忙しいような人や軍関係者と思しき人の方が多かったです。

建物はこんな感じ。

建物は年季が入った感じでしたが、普通に舗装工事などもしていました。

そしてこちらがお目当て、カント先生の霊廟です。

大きな建物に、大きな柱。

この記事を執筆している2024年は、カント先生の生誕300年周年です。

ドイツ人として生き、ドイツ人としての生涯を全うしたカント先生でしたが、現在ではキリル文字でその名前が刻まれています。

我々は偉大なる哲学者に最大限の敬意を払い、サンクトペテルブルクを経由してロンドンに戻る準備を進めました。

事件はサンクトペテルブルクで起きた!

カリーニングラードの空港からアエロフロートでサンクトペテルブルクに着いた一行。

いつものように、パスポートを見せ、入国管理職員との簡単に質問に答えます。

3人それぞれ別の個室に入れられ、なぜかかなり厳重な警戒体制が敷かれました。

その時は「ロシアって用心深い国だなあ」と思っていました。

が、僕のパスポートを眺める職員の表情に曇りが。。

実は僕、この旅行の2ヶ月前に上海に旅行に行っていました。

当時は中国に渡航歴のある人やアジア人の入国を制限すべきという世論があり(実際に僕たちが日本に帰ってきた1週間後、欧州は完全にロックダウン状態になりました)、

僕の渡航歴に問題があったのかな?と思いました。が、それにしても長い。

事態に進展があったのは、入国審査をし始めてから約10分後、黒の防弾チョッキと迷彩ジャケット、スキンヘッドの大男が入ってきた時です。

僕はその時悟りました。

「あっ、これ●されるやつだ。」

遠く離れた異国で、コロナクライシス前夜の混沌とした世界の片隅で、

ロシア政府によって秘密裏に暗●されるのだな。。と。

しかし実際は違いました。

とはいえ、事態は深刻な状況だったのです。

3人別々に入国審査を受けたものの、気づくと審査室の前のロビーに3人とも戻っていました。

近くには軍関係者と思しき大男が10数人、こちらをチラチラ見ながらうろついています。

「ここで座っていてください」以外の説明が何もないまま、小一時間。

手錠などはかけられなかったものの、その場を動こうものなら一瞬で射●されそうな緊張感。

長い時間が過ぎました。

そして、ようやくスーツを着た一人の男性が、僕らを別室に案内しました。

その部屋は社長室のように整っていて、部屋の正面にはプーチン大統領の肖像が飾ってありました。

あなた方がお持ちのビザはカリーニングラード州専用のもので、ここサンクトペテルブルクに入る効力を持っていません。(綺麗な発音の英語)

どうしたら良いのでしょうか?

非常に申し上げにくいのですが、そちらのカウンターでカリーニングラード行きの航空券を購入し、カリーニングラードへ戻ってから、ロンドンに向けて旅路を整えてください。

ちーん。

心の中の僕「乗り換えにビザ必要なのかよ?!知らねえよ?!」

ここで●されるかもしれないという地獄の緊張が解放されるとともに、

新たに買い直した航空券によって財布が数万円分軽くなるのでした。

カリーニングラードのおすすめポイント

カリーニングラード入国にビザが必要だったことは把握しており、しっかりそのビザを取得していたのですが、

同じ国内であるサンクトペテルブルクでの乗り換えにビザが必要だとは知りませんでした。

何事もよく調べて準備しておかねばなりませんね。

結果的に空港職員さんの時間も奪う結果になってしまったのが申し訳ないです。

最後にカリーニングラードのおすすめポイントをまとめて終わりにしたいと思います。

カリーニングラードのおすすめポイント

  • 人々が優しい
  • カント先生のお墓がある
  • サーモンとかホタテとか海産物が豊富
  • 夜は静かで治安が良い
  • 海洋性気候なのでロシア各地と比べれば穏やかな気候

この記事が面白いなと思った方は、ぜひご自身の海外トラブルエピソードを添えてSNSでシェアしてください!

今回はここまで。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

この記事ではアフィリエイトリンクを使用しています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました