【初級者~中級者向け】ビアバー店員がクラフトビールのビアスタイルを浅く広く解説【26選】

解説の前に

世界には細かく分けると100種類以上のビールがあります、という触れ込みから始まる「 クラフトビール 」の記事を、親の顔より見たんじゃないかってくらい見てきました。

ただその中で、(一応玄人の)筆者から見ると「初心者向けの記事にその要素いる?!」と思うこともしばしば。例えば、やたら発酵方法を詳しく書いてあるけど、ビアスタイルの説明は疎かだったり、外観の説明はしっかり書いてあるけど、飲んだ時に感じるアロマやフレーバーの説明が適当だったり。他の人(というかメディア)の記事を悪くいうつもりは毛頭ありませんが、「ほんとにこのビール飲んだことある?!」と思うこともあります。

今回は、日本国内のビール審査会でも使われている「BEER STYLE GUIDELINE 2004©︎」をもとに、筆者がビアバーのカウンターでお客様に説明するような口ぶりで(たぶん)易しく解説します。逆にいえば、ここに書いてある以上のことは、クラフトビールを飲み始めた方には必要のない知識だと思います。

これより下の記事は、筆者のインスタグラムのフォロワーさんだったら常識レベルなので、友人や知人に「あ、こいつビール沼に落としたろ」って方にこの記事を見せるといいと思います!!

(この「ビアスタイル・ガイドライン」は、米国ブルワーズ協会の承認のもとに「2020 ワールドビアカップ・コンペティションスタイリスト、デスクリプション&スペシフィケーションズ」に基づいて編纂されています。)

下に行けば行くほど、商業的に作られている数が少なくなると思います(個人的な主観)。

それではいってみましょう!!

ラガー

大量生産に向いているラガーは、全世界で最も生産量の多いビールのカテゴリーです。

ピルスナー

ラガータイプのビールの中で、最もポピュラーなスタイルがこの「ピルスナー」です。色はゴールドで、フルーティさは一切無く、キリッとした苦味と、ふくよかな泡立ちが特徴のビール。

細かく分けると、ジャーマンピルスナーやボヘミアンピルスナーなどがあります。ボヘミアンピルスナーはジャーマンピルスナーに比べて色がほんの少し茶色に近づき、とうもろこしのような香りを出すものもあります。

日本のクラフトビール会社だと、箕面ビール「ピルスナー」が有名です。

https://www.minoh-beer.jp/products/pilsner/

ヘレス

ピルスナーと非常によく似ていて、飲み口は軽く、フルーティーさを全く感じないドライなラガービールです。目隠ししてテイスティングした場合、ピルスナーと区別するのは不可能に近いですが、個人的には「ピルスナーの苦味少ないバージョン」という表現をよく使います。

最近は京都醸造などがクオリティの高いヘレスをリリースしています。神奈川県鎌倉市のヨロッコビール「Bright Moments」も、ヘレスとして人気が高いです。

https://kyotobrewing.com/products/shintenchi-helles

ダークラガー

一言でいえば黒くて軽くてスッキリしたラガーです。有名なスタイルはドイツの「シュバルツ(ビア)」。ABV3~4%なので、スタウトやインペリアルスタウトほど重いのは嫌だけど、黒いビールを飲みたい!という時にぴったり。揚げ出し豆腐や肉じゃがなどの和食にも意外とマリアージュします。

筆者の周りでは、千葉県舞浜にある地ビール工房、ハーヴェストムーン「シュバルツ」が美味しいと評されています。

https://www.ikspiari.com/harvestmoon/lineup/

インディアペールラガー(IPL)

ここ数年で多くのファンを獲得しているのがこのスタイル。基本的にはラガーの特徴である、スッキリあっさりを踏襲しつつも、ホップのフレッシュさを感じられます。酵母由来の洋梨やバナナのようなフルーティさではなく、ホップ由来のシトラス感や果実感を楽しみたい方におすすめ!

大手のキリンも「グランドキリン」シリーズでIPLを出していますし、デンマークのクラフトビール会社ミッケラーも、「American Dream」という名前でIPLをリリースしています。

https://shop.mikkeller.dk/products/american-dream-pils-extra-dry-hopped-330ml

ウィンナーラガー(ヴィエナラガー)

ピルスナーなどの黄色いビールと、シュバルツなどの黒いビール間のような赤褐色系の色をしたビールです。酵母由来のエステルやホップのフルーティーさはほとんどないので、純粋にモルトのトースト感や甘みを楽しみたい時におすすめ。

岩手の老舗ビール会社ベアレンから、ハイクオリティのヴィエナラガーがリリースされています。

https://www.baerenbier.co.jp/2022/03/01/coolshipviennalager/

メルツェンとボック

ドイツ周辺では非常にポピュラーなスタイルたちですが、日本国内ではそれほど流通していません。クラフトビールが隆盛を誇る遥か前から栄えてきた、いわば伝統的なビアスタイルです。色はやや赤褐色から濃いダークまで様々。ナッツやトーストを思わせるような香りを持つものもあります。ABV6%~14%と、若干高アルコール気味です。

この類のビールは、輸出用に生産されていないことも多いので、現地で飲む方が圧倒的に美味しいというのが持論です。

https://shop.braeuzloh.de/produkt/braeu-zloh-maerzen

カリフォルニアコモン

ビールの醸造には、主にラガー酵母とエール酵母が使われ、それぞれ発酵する温度帯が異なります。このカリフォルニアコモンは、ラガー酵母を用いていながら、エール酵母が発酵する温度帯で発酵するため、やや複雑でほんの少し酵母由来のフルーティさ(例えば焦がしたパイン、熟れたバナナの皮など)が感じられます。色は褐色で透明、飲み口は中程度の重さ。日本で商業的に生産しているビール会社はほとんどありません。

有名どこだとアンカー社の「アンカースチーム」、国内だと東京都板橋のTokyo Aleworks「ケンタッキーライドコモン」くらいでしょう。

https://www.anchorbrewing.com/our-beer/

エール

クラフトビールの成立には、大量生産された(≒画一的な)大手のラガービールに対抗して生まれたという背景が一部どこかにあります。よって、多くのクラフトビール会社のフラッグシップビールは「エール」系であることが多い印象です。

ペールエール

イギリスや北米など地域によってわずかな違いはありますが、基本的にはフルーティで苦味の少ないビールです。色は麦わら色からややアンバーまでの範囲。オレンジやトロピカルフルーツ、茶やフローラルな香りのフレーバーを持つものが多いですが、たいてい癖が少なく万人におすすめできるビールです。

アメリカ西海岸のブルワリーであるシエラネバダの「ペールエール」が始祖に近いとされ、ここから現代クラフトビールの歴史が広まったとも言えます。

https://sierranevada.com/brews/pale-ale/

IPA

IPAといえば、ガツンとしたホップのフルーティさ!退屈なラガーを吹き飛ばすほどの勢いで、クラフトビール市場を席巻しているスタイルの一つです。苦味とフルーティーさが強く、色は黄色からダーク系まで様々。派生もかなりの数があり、トロピカルでジューシーなヘイジーIPAや、乳酸菌などを用いて酸味を出したサワーIPA、ローストしたモルトを使ったブラックIPA、アルコール度数を3%~4%に抑えたセッションIPA、ライ麦を使ったライIPA、ほとんどラガーに近いようなキレを持つコールドIPAなど、枚挙にいとまがありません。

有名な銘柄はスコットランドのブルワリー、ブリュードッグの「パンクIPA」、アメリカ西海岸のブルワリー、ストーンの「ストーンIPA」です。個人的にはサワーIPAが好きなので、ニューヨークのブルワリー、ハドソンバレーからリリースされているサワーIPAがおすすめです。ヘイジーIPAだったら、こちらもニューヨークのブルワリー、Other Half「Oh…」が唯一好きです。

https://otherhalfbrewing.com/beer/oh/

ケルシュ

ドイツ西部、ベルギーにほど近い町、ケルンで醸造されるビアスタイルです。色合いは淡い麦わら色で泡持ちがよく、エールビールでありながらラガーに近いようなスッキリさ。ほとんどの場合フルーティさは含まれていませんが、感じる場合は洋梨、リンゴ、リースリングのような香りが感じられます。モルトやホップのニュアンスはほぼなし。正確にはケルンで作られたものしかケルシュと呼べず、それ以外の地域で醸造されたものは「ケルンスタイル・ケルシュ」と呼ばれます。伝統的にはシュタンゲという棒のようなグラス(200ml)で飲みます。

日本国内だと、東京都国立市にあるKUNITACHI BREWERYが「1926」というハイクオリティのケルンスタイル・ケルシュをリリースしています。

https://kunitachibrewery.com/kuniburu-beer/1926/

ヴァイツェン

小麦を多く使用したドイツのエールビールです。泡立ちは豊か、濁りがあり、クローブやナツメグのような香り、アルコール度数4.9%-5.5%のわりには飲み口は重く、フレーバーの主幹はよくバナナに例えられます。いわゆるホワイトエールに含まれる、近年の日本でも人気が上がっているスタイルの一つです。

似たようなスタイルに、ベルギーのベルジャンウィットビールがあります。こちらは伝統的にはコリアンダーとオレンジピールが用いられ、比較的ヴァイツェンより飲み口は軽め、ほのかにスパイス感があります。ヒューガルデンもこのスタイルに該当しますね。

クラフトビール業界をよく知っている人の間では、埼玉県のブルワリー、麦雑穀工房(ざっこくこうぼう)からリリースされている「雑穀ヴァイツェン」や、富士桜高原麦酒「ヴァイツェン」が美味しいことはあまりにも有名です。

https://zakkoku-beer.shop/items/5e8e832e2a9a421fc386162e

セゾン

フランスやベルギーを中心に興った、酵母由来の香気成分(エステル)のキャラクターを全面に押し出したビアスタイルです。色合いはゴールドからライトアンバーの間くらいで、ホップとモルトのニュアンスはやや抑え目、全般的には洋梨やアプリコット、モモのような風味があります。中には馬や羊のような香りから、土や動物の皮、地下室の壁のような香りを持つものや、軽度の酸味を持つものもあります。副原料としてフルーツとの相性が抜群で、モモ、ウメ、プラム、レモンなど元来酸味を持つ果実が多用されている印象です。

神奈川県鎌倉市のヨロッコビールから評価の高いセゾン「ペニンシュラセゾン」がリリースされています。

https://yorocco-beer.stores.jp/items/63c0c751ce1bd2557cf16664

ポーターとスタウト

細かくいえば違いはありますが、どちらも黒ビールで芳醇なロースト香を持っています。アルコール度数やボティの厚さは、ビールによってまちまちです。なので、一度黒ビールを飲んで苦い経験をした方でも、別の黒ビールを飲んで好きになったという方もいます。副原料にコーヒーやチョコレート、ナッツ、バニラ、メープルを使用していることもあります。

https://www.buxtonbrewery.co.uk/beers/core/gatekeeper

バーレイワイン

高いアルコールでフルボディのビールといえばこれ。色は赤みがかった茶色をしていることが多く、フルーティな酵母由来の香気成分(エステル)がかなり強めです。レーズン、プラム、アプリコット、紹興酒、ポート、シェリー酒のような風味を持ち、麦芽由来の蜜のような甘さ(残糖感)を持つものもあリます。ペアリングするなら、レーズンやイチジクが入ったパテドカンパーニュや、レバーペーストなどがおすすめ。(さらにいうと、パテドカンパーニュは東京都世田谷区尾山台にあるオーボンヴュータンというフランス菓子店で買うのがおすすめ)

https://anglojapanesebeer.com/collections/beer/products/bread-barrel-aged-barley-wine

その他エール

赤褐色でモルトの甘みをよく感じられるアンバーエールや、色が淡く適度なホッピーさを持つブロンドエールなど、ここには書いていないエールスタイルのビールが数多く存在しています。また、既存のビールの枠組みに囚われない、フリースタイルのビールもどんどん世に放たれているので、もしボトルショップやビアバーに行った際は「このビアスタイルは一般的なものですか?それともニッチなものですか?」と聞くと良いでしょう。そのビアスタイルの立ち位置を理解する手がかりになります。

サワーエール

厳密には「エール」に含まれますが、「サワーエール」は筆者の好きなスタイルなのでちょっとだけ詳しく解説します!

ゴーゼ

ドイツ発祥のサワーエールです。伝統的には塩や乳酸菌、コリアンダーなどを用いて酸味を表現しますが、現代では徐々に形態が自由になり、果実や野菜、ハーブなどを加えることもあります。色は副原料によって異なり、濁っている場合もあります。モルトのアロマやフレーバーはほとんどないので、さっぱり乳酸菌の酸味を感じたい初心者におすすめ!副原料も大体調和してくれるので、何が入っていても美味しいのですが、キュウリを使ったゴーゼだけは筆者は好きになれません、、

横浜のブルワリー、TDM1874「浜なしゴーゼ」がめちゃくちゃ美味しかった記憶があります。

https://tdm1874brewery.com/products/kn049#

ベルリナーヴァイセ

ベルリン発祥のサワーエールです。淡い黄色の見た目で、モルトやホップのニュアンスはほとんどなく、特殊な酵母由来の馬や山羊のような香りを持つことがあります。伝統的には瓶内で二次発酵させるので、炭酸をよく含み、食前酒やアペタイザーとのペアリングによく使われます。もちろん、ベリー系のフルーツやハーブなどの副原料との相性も良いです。

個人的にはスウェーデンのブルワリー、ブリュースキーの「Mango Colada Berliner Weisse」が大好きです。

https://dig-the-line-store.com/collections/brewski/products/brewski2

ランビック

ブリュッセル近郊のゼンヌ川流域で醸される、野生酵母を使用した樽発酵ビールです。通常、酵母は清潔な設備が整った培養室で培養されますが、ランビックで使用される酵母は醸造所周辺の空気中に存在する野生酵母たちで、その発酵プロセスはめちゃくちゃ複雑です。色はゴールドからやや褐色、ホップの香りは全くないです。酵母から生み出される強烈な酸味と、熟成中に発生する馬小屋のような匂いは、飲んだ人を一瞬で虜にさせるか、一生飲まないと決断させるかのどちらか。しかし中には花や柑橘、洋梨のような風味を持つものもあります。人生で一度は、この悪魔的なビール、ランビックを飲むべきだと思います。

おすすめは、ランビック醸造者の中で最も伝統的な醸造所であるカンティヨンの「グーズ」。

https://www.cantillon.be/geuze-nl?lang=fr

変わったビール

フルーツビール

各社からフレーバードビールとして、多くのフルーツビールがリリースされています。ビールの副原料としてよく使われるフルーツは、ブルーベリー、ラズベリー、ブラックベリー、リンゴンベリー、シーバックソーン、ストロベリー、レモン、グレープフルーツ、オレンジ、ユズ、ヒュウガナツ、ウォーターメロン、キュウリ、リンゴ、キウイ、マンゴー、パイナップル、ドラゴンフルーツ、ザクロ、アサイー、モモ、イチジク、バナナなどです。ベースとなるビールは癖のないウィートエールやラガーなどが選ばれることが多い印象ですが、IPAと合わせて力強いフルーティさを全面に押し出す場合もあります。

個人的おすすめは、カリフォルニアのブルワリー、The Rare Barrelのフルーツ(サワー)ビールがどれもおすすめです。

スモークビール

燻製香が特徴のビールです。スモークビールの中でもっともよく知られているスタイルが、ドイツはバンベルク発祥のバンベルクスタイルラオホビールです。見た目はやや茶色で飲み口は中程度からやや重め。麦芽をあらかじめて燻製させてから、ビールを醸すことで独特な風味をもたらしています。

日本国内だと、東京都大塚にあるNANACHAんBrewingの「なまちゃんのラオホ」が有名です。むろん、めっちゃくちゃ美味しいラオホです。(ちなみにこちらの会社が製造している燻製、どれも最高に美味しいです。)

https://smokebeerfactory.com

チリビールとスパイスビール

ハバネロやハラペーニョなどの唐辛子はビールの副原料としてよく用いられます。特にジンジャーとの相性が抜群で、チリ&ジンジャー+ビールとして、(いわゆるノンアルコールの辛口)ジンジャーエールのようなフレーバーがよく表現されています。スパイスビールは、文字通りスパイスを使用したビールです。クローブやフェンネル、ナツメグなどお馴染みのスパイスから、花、野菜、種、植物の根、樹皮を用いて醸したビールもこれらに該当します。

例えばアメリカ西海岸のブルワリーであるローグでは、トウヒという木の樹皮を使用した「イエロースノーピルスナー」をリリースしたことがあります。神奈川県茅ヶ崎のブルワリー、Passific Brewingでは、梅と赤しそを使った「Umee」がリリースされました。

https://note.com/passificbrewing/n/n2651a5539d17

チョコレートビール

ダークチョコレートやココアを用いて作られたビールです。ビアスタイルの定義としては、しっかりとチョコのフレーバーが感じられなければなりません。チョコ自体に甘味はありませんが、世の中でミルクチョコレートが親しまれているように、乳糖(ラクトース)や水あめ、バニラなどと合わせて醸し、デザートビールのように仕立てられていることが多い印象です。

筆者がアシスタントブルワーとして働いていた、神奈川県のサンクトガーレンという醸造所では、毎年バレンタインに合わせて「インペリアルチョコレートスタウト」をリリースしています。

https://www.sanktgallenbrewery.com/valentine/imperial-chocolate-stout/

ワイルドビール

ワイルドは野生を意味します。醸造所周辺に棲息する野生酵母を取り込んで発酵させた、ランビックなどの既存のスタイルに該当しないビールを、総称してワイルドビールと呼びます。ランビックは、ブリュッセル近郊で醸造されたものしか「ランビック」と名乗ることができないので、日本で作られたランビックは「ランビックスタイル」もしくは「ワイルドエール」と呼ぶことになります。

筆者の地元千葉県では、ソングバードビールというブルワリーがワイルドエールを醸しています。「Brett」で使われている酵母は、お庭の空気中から捕獲したとのこと。神業に近いです。あまり都内のボトルショップでは見かけませんが、目白の田中屋には置いてあると思います。

https://songbirdbeer.blogspot.com/p/2023-beer.html

フレッシュホップビール

コストや保存・運搬上の理由から、通常ホップはペットフードのような顆粒状(ホップペレット)にして運用されますが、フレッシュホップビールは収穫後すぐの新鮮なホップを使用しなければなりません。ホップの収穫は真夏なので、例年各社から晩夏〜秋口にかけてフレッシュホップビールがリリースされます。ホップのキャラクターをダイレクトに感じてもらうために、IPAとして仕立てられることが多い印象です。

ヤッホーブルーイングが手がけるクラフトザウルスから、地元軽井沢産のホップを使用したフレッシュホップIPAがリリースされています。2023年Verは発売されるとしたら、秋口かと。

https://yohobrewing.com/news_release/fresh_hop_ale_2022/

酒イーストビール

清酒酵母(例えば日本醸造協会の「K7号酵母」「K9号酵母」「K10号酵母」などを)を用いて作られたビールを指します。ホップのフレーバーやアロマは抑えられていて、清酒酵母由来のオレンジ、リンゴ、マスカット、メロン、バナナ、バター、練乳、椎茸、ブルーチーズ、クローブ、シェリー酒、紹興酒のようなニュアンスが現れることがあるようです。

古くから続く日本の酒蔵が、清酒酵母を用いて強みを生かしたビールをリリースしているところをしばしば目撃します。200年以上の歴史を持つ長野県の酒蔵、玉村本店が志賀高原ビールブランドとしてリリースしている、日本酒と結びつきの強いスタイルのビールは、どれを飲んでも圧倒されます。こういうビールを飲むと、「自分はブルワーは向いてない」とわからされるくらい美味しいです。

https://tamamura-honten.co.jp/?pid=175371167

最後に

ビアスタイルというものは、ビールの審査会をするために、そのビールが決められたビアスタイルに合致しているか、あるいは合致していないか決めるための指針になるものでもあります。審査会では、出品したビールが該当のビアスタイルの定義から外れていれば減点され、入賞を逃すことになります。

ただし、決められたスタイルから外れていても、ビールに内在する価値は減りません。ビアスタイルは、いわば恣意的に決められたものであって、ビールを醸造するブルワーにとってそんなものを知ったこっちゃない場合もあります。つまり、ブルワーが作りたいものを作って、完成したものを消費者が「美味しい」と感じれば、そのビールは価値のあるものになるということです。審査会に入賞したビールだけがこの世で美味しいビール、というわけではありません。

国内クラフトビール市場は、2000年代は冬の時代から第二次ブームの2010年代を経て、今まさに2020年代は玉石混交の時代を迎えています。改めて、他人のパラメータで評価されたビールだけを美味しいと捉えるのではなく、ぜひご自身で「自分の美味しいモノサシ」を作っていただき、よりお気に入りのビールを見つけていただきたいなと思います。

ご参考になれば幸いです!!

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