【開業構想シリーズ】ショップカードよりもビールカードを渡した方がお客様は嬉しい説

筆者にとってコーヒーショップは、空間作りや飲食体験において非常にインスピレーションが湧く場所です。

今回はスペシャルティコーヒーショップで渡される「コーヒーカード」の魅力と、そのコーヒーカードをクラフトビール業界に応用できないか考えてみます

この記事は以下のような方に向けて書かれています

  • ビアバーを開業したいと思っている
  • 筆者がオープンするビアバーに興味がある(ありがとうございます!)

筆者自身のために言語化/書き留めるといった要素が強い記事ですので、あらかじめご了承ください。

コーヒーカードとは?

東京 経堂 Raw Sugar Roast 2024年9月撮影

筆者がたまに行くコーヒーショップでは、コーヒー豆に関するスペックや生産者の情報が書かれたカードが渡されます。

東京 吉祥寺 LIGHT UP Coffee 2019年6月撮影

注文したドリップコーヒー1杯につき、必ず1枚。

東京 神保町 GLITCH COFFEE & ROASTERS 2020年9月撮影

カウンターでコーヒーの説明を聞いて注文するときはコーヒーカードは渡されず、そのバリスタさん独自の話し言葉で商品説明が行われます。

一方で、提供時に静的なテキストとしてのコーヒーカードが渡されるのはなんだか印象的です。

バリスタとコミュニケーションを図れつつ、あとで見返せる辞書的なテキストによってコーヒーを楽しむ行為の追体験が可能になります。

大阪 北浜 EMBANKMENT Coffee 2024年1月撮影

これを見ながらコーヒーを飲む時間が結構好きです。

生産者のインスタグラムアカウントを覗きながら、門外漢のコーヒー世界を愉しんだりしています。

経堂にある「Raw Sugar Roast」では、上記ポストのような考えのもとにコーヒーカードを渡しているようです。

「Raw Sugar Roast」現ヘッドロースター小坂田さんの古巣「GLITCH COFFEE & ROASTERS」や、都内に展開するコーヒーショップ「LIGHT UP COFFEE」、「WOODBERRY COFFEE」、大阪で店舗を構える「LiLo Coffee Roasters」、「EMBANKMENT Coffee」などでも同様のコーヒーカードが渡されます。

東京 自由が丘 amber 2023年9月撮影

飲んだコーヒーを記録や記憶するために、カードをコレクションしているコーヒー愛好家も多いのではないでしょうか。

コーヒーカードは、一杯のクオリティを極限まで上げたスペシャルティコーヒーならではの文化なのかもしれませんね。

クラフトビールへの応用

コーヒーカードのようなカードは、クラフトビール業界やワイン業界ではあまり見かけません。(※筆者経験上)

その理由はいろいろあり、導入しない理由もまあいくつか想像できるのですが、筆者のお店ではビールカード/ワインカードを渡そうと考えています。

以下、クラフトビール業界に持ち込むと受けられるメリットです。

  • お客様自身が好みのビアスタイルに気づくことができる
  • お客様が生産者を/生産者がお客様を知ることができる
  • 一杯に特別感を演出できる
  • 来店した体験を思い出してもらえる

前提として、お客様との動的なコミュニケーションを増やすためにメニューに詳しい説明は記載しない方針です。

お客様自身が好みのビアスタイルに気づくことができる

これはまだクラフトビールを飲み始めて間もないお客様自身には圧倒的なメリットではないでしょうか。

すでにクラフトビールを知っている方であれば、おおかた自分の好みのビアスタイルがわかっていると思います。

ただ筆者の経験上、「あんな感じのビールが好きだったんだけど、なんていう種類なんだろう?」と好みがぼんやりしているお客様が多い気がします。

そして次にビールを注文するときも、ぼんやりとした好みを店員さんに伝えることでしょう。

そのお客様の好みを汲み取って最適な商品を提供するのがプロの仕事でしょうが、万が一外したときの損失がクラフトビール業界にとって大きいと思います。

2回も3回も好みを伝えたのに、自分の好きじゃないビールが出てきたら嫌ですよね。

「私ってやっぱりクラフトビール向いてないかも。。」と思われてしまったら、もう一度召し上がっていただくのは難しくなります。

それを防ぐために、一般的なスペック情報に加え「このビールが該当スタイルにおいて一般的か奇抜な方か」「このスタイルが好きだったらこちらのスタイルも好きかも」などの情報が書かれたカードがあるといいかなと思います。

カードは帰るときに客席に置いていっても、後で捨ててもらってもどちらでもいいのです。

読みたい時に読む。押し付けがましくないのが「静的な情報 = カード」のいいところです。

込み入った情報を伝えるには、テキストベースが適していると感じます。

お客様が生産者を/生産者がお客様を知ることができる

筆者がワインバーでワインを飲むとき生産者の名前を忘れてしまうことがあるように、クラフトビールを飲む人も案外生産者の名前を覚えていないのではと予想しています。

海外ビールだったらなおさらです。

先ほど紹介した「Raw Sugar Roast」の投稿のように、タグ付け投稿によって生産者と消費者がお互いに認識し合うことがクラフトビール業界の発展のために必要かなと思います。

一杯に特別感を演出できる

スペシャルティコーヒーでは、生産や精製から焙煎、抽出などの一連のプロセスにおいて、全ての局面で透明化/高品質化が図られています。

そのクオリティを体現する一つのアイテムとして、コーヒーカードが用いられているのだと筆者は解釈します。

筆者のお店では、ブルワリーやビールの基本情報に加え、筆者が書いたテイスティングノートを記載する予定です。

来店した体験を思い出してもらえる

これはどちらかといえばお店側のメリットです。

あるアンケート調査によると、お客様が再来店しない理由のトップは「なんとなく(忘れていた)」だそう。

ビールカードという形をお渡ししておくことで、退店後も自店の存在を思い出してもらえる気がします。

今回はここまでです。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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