ファーキンケグ って最近耳にしますよね。
今回はファーキンケグと、同じ場面で使用されることが多い単語「グラビティシステム」について解説します。
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ファーキンケグとは?
ファーキンケグの見た目
ファーキンケグとは、昔ながらの木樽のような形をしたステンレスケグです。(ケグ=樽)
容量は国ごとに若干異なりますが、約40リットル(10.8ガロン)が多いでしょう。
他にもピン(Pin) =約20リットル(5.8ガロン)や、キルダーキン(Kilderkin) =約80リットル(21.6ガロン)というステンレスケグが存在します
基本的に横向きに置きます。
平面の部分(木樽では鏡板といいます)の下部に穴が空いていて、そこに蛇口を取り付けてビールを取り出す仕組みです。
これが蛇口です。
右側の先が尖った筒をファーキンケグに差し込んで、白いコックを捻ればビールが出てきます。
こんな感じです。
ファーキンケグの仕組み
通常ビールは、樽内部に炭酸ガスの圧力をかけてビールを押し出す仕組みですが
ファーキンケグを用いてビールを取り出す場合、炭酸ガスを使用しません。
代わりに重力を利用します。
その重力を用いてビールを取り出す仕組みのことを「グラビティシステム」(⇄「ドラフトシステム」)といいます。
「グラビティシステム」については次節で軽く解説しますが、そのためにはまずファーキンケグが存在する理由について知る必要があるので歴史的背景も踏まえて解説します。
ファーキンケグが用いられた歴史的背景
で、ファーキンケグや「グラビティシステム」を解説するためには、リアルエールについて触れなければなりません。
本当は自分でリアルエールに関する解説記事を書こうと思ったのですが、茅ヶ崎にあるクラフトビール中心とした“いい酒”の取り扱い店「Pepown」の赤間さんが書かれたポストがすっごく分かりやすいので、こちらを引用させていただきます。
(勉強になります…!)
イギリスには伝統的にリアルエールなるものが存在し、そのリアルエールを地下のセラーから汲み上げるシステムがその当時発明された「ハンドポンプ(ビアエンジン)システム」だったのです。
今でこそハンドポンプはオールドファッションな仕組みですが、1800年代初頭以前はもっと古いシステムが使われていました。
その古いシステムが「グラビティシステム」です。
上のチャートのようにお水で例えると分かりやすいと思います。
ジャーっと流れるだけのジャーと、圧力を使って汲み出すポンプ。
どちらも今となってはクラシックなシステムですね。
話をビールに戻して締めとします。
1800年以前は、地下室から運んだ樽をバーの後ろに寝かせて置き「グラビティシステム」でサーブしていたそうです。
基本的にリアルエールは地下のセラー室で保管されているので、地下から直接ビールを汲み出せる「ハンドポンプシステム」の発明は画期的だったことでしょう。
ファーキンケグのビールの味は?
筆者の主観としては、微炭酸なリアルエールを飲むと「麦の甘み」が際立つような気がします。
気の抜けたコーラがとても甘く感じられる現象と似ているかもしれません。
また酵母が多く残っている可能性が高いので、酵母由来の独特な酸味が際立つことが多いように思います。
皆さんも機会があれば、ファーキンケグからサーブされたビールを試してみてくださいね!
今回はここまで〜
参考文献は以下。
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