ことクラフトビールにおいて、お洒落なラベルに包まれた缶やボトルは目を惹くものがあります。では肝心な中身は、お店で注がれる「 樽生ビール 」と缶ビールは何か違うのでしょうか?
クラフトビール醸造所で働いていた筆者が解説します。
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結論
全く違いはありません。
クラフトビール醸造所では、ケギングもボトリングも、同じタンクから同じビール移送して充填します。
よって出荷時において両者に違いはありません。
ビールの中に含まれる炭酸ガス圧を、充填する容器ごとに明確に変えて出荷している醸造所もない(あるいは限りなく0に近い)と思われます。
出荷前に炭酸ガス圧を調整する作業はコストと時間がかかるからです。
ただし例外あり
賞味期限を伸ばすために、ボトルや缶に充填するビールだけ熱処理を施していたり、ブルワリー側からの公式発表で同じ商品でありながら充填容器ごとに何らかの違いがあることが示されていたりする場合は、中身に差異があるといえます。
味や風味に違いがある場合は何が原因か
どちらかが劣化している
本音でいえば、劣化が一番の原因です。
大手各社に比べて、缶やボトルへの充填技術は高くないケースがあります。(もちろん卓越した充填技術や、絶対に酸素を混入させない気概を持ったブルワーさんはたくさんいらっしゃいますし、そういう方がほとんどです。)
充填時に酸素が混入しやすい缶やボトルは劣化しやすく、お店で飲む樽ビールよりも風味が落ちる場合があります。ただしこれは逆も然りで、クラフトビールバー側がビールホースやタップの洗浄を怠っている場合もあります。無論そのビールの風味は落ちるでしょう。
樽で飲んでも缶やボトルで飲んでも風味が落ちたような感じがする、あるいはオフフレーバーがある場合は出荷から時間が経っていて劣化してしまっていることがほとんどです。
上記のことを鑑みて、国際的なビール審査会では「樽」と「缶やボトル」がカテゴリー分けされている場合があります。
熟成状態に差異がある
高アルコールビールや酸味の強いサワービールでよく起こります。
劣化と熟成は紙一重で、より良い状態にビールが変化していくこと(≒熟成)で、樽と缶やボトルの間に差異が生まれることがあります。
注ぎ方や温度に違いがある
香りの高いIPAなどでよく現れます。
ビールを注ぐときに泡を攪拌するように注ぐと香りが立つと言われています。(香りの感じ方には個人差があります。)
また、ビールの温度が高くなればなるほど香気成分が活発に空気中に放出されるため、香りがよく感じられることがあります。
食事の内容やその場に漂っている香り、音楽や照明からグラスの縁の厚さに至るまで、店内であればさまざまな要因が味の感じ方に影響を与えると思っています。
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